4月からの大学院入学に向け、「お産」のご依頼をお受けすることが難しくなりました。
10年前、「産む場所の選択肢を広げたい」との思いから助産所を立ち上げました。
15年間、自然な出産と関わってきて感じたことは、「どこで産むか」も大切だけれど、
「どう産むか」ということは、もっと大切なのではないかということです。
この15年間の環境の変化はとっても激しいものだったと思います。
とにかく、情報が膨大で、手軽にたくさんの情報が手に入るようになってきました。
悪いことではないと思います。
けれど、妊娠中や産後の敏感な時期にあるお母さん方にとっては、一喜一憂、不安になったり
安心してみたり・・・
心と体と頭の中の整理がなかなかできないまま、出産、育児に突入しているように思います。
整理ができないと、色んな所に気を遣って、余分なエネルギーを消耗して疲れてしまいます。
赤ちゃんを日常生活の中に迎えるためには、色んな準備が必要ですが、
「準備」と聞くと、ほとんどの方が、衣類や、ベッド、おもちゃなどの育児用品を
思い浮かべると思います。
もちろん、育児用品も「必要物品」ではありますが、それ以外に大切な「心と体」の
準備と整理があると思います。
そうする中で、出産に向かう「覚悟」、育てていく「覚悟」が生まれてくると思うのです。
目に見えない、こういった「準備」はついつい後回しになったり、気づかず放置されたり・・・
私が、助産所という場所でお母さんたちとお話をしてきたことは、「覚悟」するための
お話であったと気づきました。
整理できない状況では、心と体が疲れ切ってしまいます。
そんな、一人では難しい「心と体と頭の整理」のお手伝いができればいいな~
と思ったことがきっかけで、もっともっと「心の勉強がしたい!!」
これが、心理学を学ぶきっかけになったのです。
相談に来られる方は、育児で困っている方はポイントがはっきりしてこられます。
けれど、妊娠中の方は「何が聞きたいのかよくわからないけれど、とりあえず、
『行ってみたら?』といわれて来ました。」
って言われる方がほとんどです。それでもいいのです。
話をしていくうちに、色々と考えなければいけないこと、知らずに過ごしてきたこと・・・
などなど、たくさん出てきて、「スッキリしました!!」って帰られます。
おなかの張りがおさまる方もいらっしゃいました。
そんなわけで、お産のお手伝いは、「産むお手伝い」だけではなく「整理」することも
大切。お産を知っている助産師だからこそできる「心と体と頭の整理」が今後とっても
必要になるのではないかと思っています。
「学びの訳」はこんなところですが、
もう一点、赤ちゃんの発達の関係からの「学びの訳」について次回は書かせていただこう
と思っています。
長々読んでいただいてありがとうございます~~~(^_^)/
にしだ助産所のHPは
こちらです。